楽器店に就職を考えてる人へ 楽器屋の現実を教えます

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2010年~2012年の12月まで楽器店で働いていました。

働いていた所は、ほぼギター専門店でした。

ピアノなどいろいろな楽器が売っている一般的なお店とは少し違います。

お茶の水にある楽器店を想像して頂ければわかりやすいと思います。

その当時の話ですが、楽器店に働いていたころの話をしようと思います。

楽器店に就職しようと思っている人や楽器店ってどんな感じなのか気になる人はぜひ読んでみてください。

あくまで当時の自分が働いていた楽器店での話です。

自分が労基署に行ったため現在は改善されているかもしれません。

また、違うお店では全く違う待遇かもしれません。

その点を踏まえてお読みください。

目次

やりがい搾取の現場

楽器店はやりがい搾取の代表と言っても過言ではありません。

ギターが弾ける人はお店のギターを全部弾いてどんな音が出るか試してみたいという欲求があると思います。

自分もそう思って入ってみました。

そこに落とし穴があります。

ギターに関係する仕事ができるから給料安くてもいいよね?という感じでめちゃくちゃ給料は安かったです。

自分が入った楽器店は最初から正社員という人はほとんどいませんでした。

フルタイムで働いていましたが、準社員という立場でほぼバイト扱いでした。

当時は最低賃金も今ほど高くなかったので時給900円でした。

しかも、残業代は全く出ません。

開店30分前に朝礼が始まり、お店が締まった後の片付けの時間もありましたが、その時間は全く給料が発生しませんでした。

しかも、休憩はご飯を食べるだけの15分位だけで、全く取らせてもらえませんでした。

なので、その時の給料は額面なのに年間200万円以下でした。

いわゆるワーキングプア状態。

そしてギターもあんまり弾かせてもらえません。

入ってきた準社員はどんどん辞めていく

こんなに給料が低いので、入ってきて社員になれなかった人はどんどん辞めていきます。

3年間で同じく準社員として働いていた人は9割が辞めていきました。

社員になるためには利益で100万円以上を3ヶ月連続で達成しなければいけません。

以前の記事にも書きましたが、ギターを1本売った時の価格の大体30%が利益です。

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なので売り上げとしては300万円以上売ると大体100万円の利益に達します。

100万円以上の利益を出して、さらにそれを3ヶ月続けないといけません。

高いギターを扱っているフロアを任されていればいいのですが、普通の初心者向けのギターを売っているようなフロアにいる場合はまず達成することができません。

人間関係

基本的にみんなが店に来た客の取り合いになるため人間関係はあまりよくありませんでした。

社員も利益額が100万円に達していないと全体メールでさらし者にされるので、人にやさしくしている場合ではありません。

みんなが売り上げを競い合っているような状況なので、間違いなくそうなります。

ギターに関する知識は自分で

基本的なギターの知識はほとんど教えてくれません。

中にはいい人がいるので教えてくれる人もいますが、さっきの段落でも言ったようにみんながライバルなので教えあうことほとんどありません。

ましてや接客に関することは、「買わない客にギターを弾かせるな!」など無茶なことしか言われません。

基本的に入ってきた人間は辞めていくので教える気もない感じでした。

マニュアルなどもありませんでした。

あるような話を聞いたことがありますが、見せてもらったことはありません。

なので基本的には自分で本などを買って勉強する以外はほとんど知識を得られることはありません。

自分の入社前のイメージは、ギターに関することなどを最低限教えてくれて、接客に関してもそこそこ教えてくれるものだと思ってました。

実際は公式に教えてくれることはほとんどありません。

入ったばっかりの時に研修がありましたが、大したことは教えてくれず、一般的なマナーをちょっと教えてもらっただけです。

仕事内容

主な仕事内容をまとめるとこちら

仕事内容
  • 開店準備(店先の準備や掃除)
  • 接客
  • 入荷したギターの持ち運び(ケースを倉庫にしまう)
  • ギターのホコリ取り
  • 弦交換&簡単な調整
  • 他の人が売れたときのサポート(ケースを持ってくるなど)

入ったばっかりの時は基本的にギターを磨くことが仕事です。

ぶっちゃけ平日はかなり暇です。

しかし、ずっと立っていなければならないので足がつらいです。

仕事中は座るなと上からの命令がありました。

休憩時間もほとんどないので、1日9時間以上は立ちっぱなしです。

1年位やってると足も慣れてきますが、立ち仕事に慣れてない人は結構つらいでしょう。

そして暇なので時間が長く感じます。

暇な上に足も痛いとまぁまぁつらいです。

特に印象に残っているのはケース探しです。

倉庫に置いてあるのですが、見つけられないことが結構あります。

中古のソフトケースはタグが付いていますが、畳んで1か所にまとめてあるので、全て引っ張り出して1つ1つ見て探します。

見つけられない場合やカビてることもあったので最悪でした。

社員たちの仕事

雑用を準社員に任せている社員たちは接客の他にも仕事があります。

デジマートなどのサイトに入荷したギターをアップすることです。

写真を取ったり文章を書いたりするので、意外と時間がかかります。

社員たちはネットの売り上げもあるので、ネットだけで結構売れてる人はいました。

楽器店で働くことはあまりお勧めしません

ギターが好きであっても楽器店で働くことはあまりお勧めしません。

まず給料が低いです。

準社員は年収200万以下。

今は最低賃金が上がっているのでもう少しもらえると思いますが、それでもまだ低いと思います。

社員でも年収300万前後だと思います。

自分は売上が上がらなかったのでずっと準社員のままでした。

社員になってもそこまで給料が上がらない上に、毎月100万以上売らなければいけないので精神的にも大変です。

それでも楽器店で働きたいと思う人は、こういった現実もあることを踏まえて頑張ってください。

現在ブラックなところで働いている人へ

ブラックであることの証拠を残しましょう。

現在ブラックな職場で働いている人は辞める前にやっておいた方がいいことがあります。

それはブラックだという証拠を残しておくことです。

なぜかというと会社を自己都合で辞めた場合は失業手当がもらえるまで少し時間が掛かります。

しかし、会社がブラックなところだったという証明ができればすぐに失業手当がもらえる可能性があるからです。

さらに未払いの残業代も請求することが可能です。

残業とは

休憩時間を除いて1日8時間を超えて労働した時間、もしくは週に40時間を超えた労働時間のことを言います。

これらの労働時間は通常の賃金の1.25倍を払わなければいけません。

例 10時間働いて時給1,000円の場合の1日の給料

  8時間×1,000円=8,000円
  残業2時間×1,000円×1.25=2,500円

  本来もらえる金額=10,500円

具体的に残しておくもの

具体的にどんなものが必要かというと、長時間労働の場合、手帳などに手書きで毎日の勤怠時間と休憩時間を記入しておくことです。

2ヶ月間以上の記録は残しておきたいです。

それと給与明細もしっかり残しておきましょう

手書きで記入してある勤務時間と給与明細があれば、残業代が払われていないという証明になります。

後はどれくらい未払いなのかを計算して会社に請求しましょう。

法律的に未払いの賃金は過去2年間分の請求が可能です。

それ以上は請求できないです。

まず会社に請求してしましょう。すんなりと払ってくれたらそれでOKです。

会社やお店のある場所を管轄している労基署へ

しかし、そんなことはありません。

労働基準法を無視して働かせているという自覚をもった図太い連中です。

間違いなく拒否されます。

しかし、請求しないことには始まりません。

拒否をされたら、会社の所在地が管轄の労働基準監督署(労基署)に行きましょう。

そして、ひたすら粘ってください。

労働基準監督署は簡単に動いてくれません。

「調査員も忙しい」「労基署は救済所ではない」など理由を付けて、こういった小さい個別案件なんかは全く動こうとしません。

「一緒に働いた仲間が苦しんでる」「これ以上犠牲者を増やしたくない」など情に訴えかけるようにして粘ってください。

自分はこのようにして残業代を請求し奪われた数十万円を取り返しました。

まとめ

楽器店で働くことはお勧めしません!

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