もう10年以上前になりますが、ほぼギター専門の楽器店で3年ほど働いていた経験があります。
働く前はギターなんて毎日売れないだろと思ってましたが、実際に働いてみるとその楽器店では1本も売れない日は少なく意外と毎日ギターが売れてました。
そのころはアニメ「けいおん!」の2期目が放送されていたからか初心者セットはほぼ毎日売れてました。
ではそのギターは売れると楽器店はどれだけ儲かるのか?
少し前の話になりますがその時の情報をお伝えします。
今とは違っているかもしれませんので、昔の情報という前提でお聞きください。
1本売れると利益率は20%~60%
ギターが1本売れると消費税を抜いた販売価格の20%~60%が利益になります。
幅がありすぎだろ!と思った方が多いと思いますが、そうなんです。
ギターによって利益率が大きく違うんです。
では個別にギターの利益率を見ていきましょう。
フェンダーやギブソンは利益率が低い
エレキギターと言えばフェンダーとギブソンは外せないでしょう。
みんなが欲しがるこの2つのブランドはやはり他店との競争があるため、利益率は低めの20%台です。
セール品の時は10%台なんてこともありました。
実は楽器店としては売れてもあんまり嬉しくないメーカーです。
販売員としてはこれらのギターが売れるよりも、他のもっと利益率のいいギターを販売したいのが本音です。
フェンダーやギブソンを買いに行ったときに他ブランドのギターを勧められたことはありませんか?
できることなら利益率の高い商品を売りたいからです。
その他の新品ギター
楽器店によって利益率は違うと思います。
自分がいたお店では、基本的には30%以上の利益率を出さなければいけないことになってました。
フェンダー、ギブソン以外のメーカーは30%台のものが多かったです。
中古のギター
ギターを買い取りに出したことはありますか?
ある人はみんな思ったことがあると思います。
「買取金額、安すぎじゃね?」
そうなんです。買取金額はいわゆるお店の仕入れなので思いっきり買い叩かれます。
お店としてはできるだけ安く買って高く売りたいのが本音です。
なので基本的には利益率50%を見込んで買取してました。
買取価格は、新品の値段の2割程度になることが多く、それを倍の値段で売るという感じです。
ただ、全く売れないギターを買い取りしてしまう時もあり、その場合は仕方なく利益率を落とす場合もあります。
中古品にも種類があった
自分がいた店は普通の買い取り以外にも、地方のリサイクルショップに仕入れに行くことがありました。
普通の転売です。
ネット販売などに対応していない地方のリサイクルショップでは、売れずにかなり安く出ているギターが多いそうです。
それを買って東京で売ると、20~30%の利益をのせて売ることができます。
すべての中古品が必ず高単価というわけではありませんでした。
会社が持っているブランド
自社ブランドのギターはとても利益率がいいです。
50~60%が利益のものが多いです。
問屋を通さないため高利益になりますが、もちろん楽器店側も作ったものをすべて売らなければいけないのでリスクはあります。
輸入代理店をしているブランド
楽器業界は輸入代理店をやっているのに普通に販売もしているということが多いです。
輸入代理店とはいわゆる卸なので他のお店にも販売しているということです。
しかしそれが自分のお店で売れた場合、かなりの高利益になります。
50%以上が基本です。
なかには80%に近いものもありました。
しかし、値下げは大々的にできません。
他店からクレームが来るからです。
欲しい海外ブランドのギターがある場合、そこの輸入代理店をしている会社に入社すると社販で安く買えるかもしれません。
自分はかなり安く買えました。
ギター以外はどうなの?
では最後にギター以外のものを見ていきましょう。
エフェクター
エフェクターにあんまり力を入れていないお店って多くないですか?
そう、エフェクターはギターに比べると値段も安い上に利益率が低いんです。
大体20%台です。
ギターに比べると単価が安く利益率も低い上に接客する時間はあまり変わらないとなると、あまり力を入れようとは思わないのが普通です。
しかし、ギターと同様に輸入代理店をしているものや自社ブランドのものは高利益です。
小物
ギターの小物関係は意外と高利益率です。
これはお店にもよるのですが、自分がいたお店では基本50%前後でした。
ピックなんかも100円で売られていますが仕入れ値は30~40円ほど。
実際60円で売っても全然利益は出ます。
しかし、良く売れる有名メーカーの弦などは他店との競争があるのでかなり安かったです。
10%位しかないものもありました。
ギターを買った時は小物を一緒に買うと2割位安く買える場合があるので、試しに「一緒に買ったら安くなりませんか?」と聞いてみましょう。
小物関係は高確率で安くしてくれます。
まとめ
- 基本的に新品は30%台
- 有名メーカーは利益率が低い
- 中古品は利益率50%前後
- 自社のブランドや輸入代理店をしているブランドは高利益
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