ギターのチューニングはいつもはチューナーを使っています。
しかしこの前、チューナーを別の所に置きっぱなしにしてたので、久しぶりに音叉を使って耳でチューニングをしました。
そこでなんとなく音叉でチューニングした方がギターの音に暖かみがあるなぁと思ったのです。
なんでだ?と思っていろいろ調べました。
そこで今回はチューナーを使った場合と音叉を使って耳で使ってチューニングした場合の違いを解説しようと思います。
ギターをチューニングする時に、耳でもした方がいいのかなぁと思っている人や耳のチューニングが苦手な人、いつもチューナーを使っている人に参考になると思います!
ただし、あくまで筆者の感覚の話です。
どちらに優劣をつけるなどの話ではないのでご注意ください。
気のせいだろ
最初はそう思ったけど、いろいろ調べてみたよ!
なぜ違いを感じたのか?
なぜ違いを感じたのかというと、
音が発せられてから音程が合うまでの時間に違いがあるからです。
解説していきます。
チューナーを使った場合
チューナーを使った場合は音を出した後に少しして音程が安定してきた所で合わせるのが一般的です。
特に6弦の場合は弾いた最初は音が少し高くて、その後に安定した音になってきます。
たぶん大体の人はこの時にチューナーの針が正確な位置になったらチューニング完了します。
音叉を使って耳でチューニングした場合
耳でチューニングをした場合は出始めの音を基準にして合わせる場合が多いです。
これは自分流のやり方なのかもしれませんが、ハーモニクスを使った場合でも、大体これで合っているかなぁとなった後に、最後にもう一回音を出して最終的に確認をしてチューニング終了になります。
なのでチューナーでチューニングした場合とはちょっと違うタイミングの音でチューニングしています。
つまり、音が出てからすぐの時点でチューニングを合わせてるか(耳の場合)、少ししてから合わせてるか(チューナーの場合)の違いです。
音叉は特に関係なかった
最初は音叉にちょっとピッチの違いがあるのかなと思ったのですが、そんなことありませんでした。
音叉をクリップ式のチューナーに挟んで音を出したところ、ほんとに正確なAの音でした。
なので音叉を持ってない人でも、チューナーで5弦の音を合わせて、その後に耳でチューニングをすれば同じようにできます。
どう違うのか?
ジャーンとコードを弾いた場合の違いを説明します。
少し極端に書くので鵜呑みにはしないようにお願いします。
チューナーを使ってチューニングした場合。
最初の音は正確に合ってません。
そして、すぐに合ってきます。
耳を使ってチューニングした場合
最初が一番合っています。
その後少しうねりが出てきます。
弾き方や弾く強さによっても違いが出てくるので今回は理論上こうなるという感じで書きました。
チューナーを使った時でも、とても優しく弾いた場合はそんなことが無くずっと響きがいいままの場合もあります。
耳でのチューニング場合も、とてもやさしく弾いてチューニングしたのに、演奏の時に強く弾いてしまったら最初から音が合ってない場合があります。
なぜ暖かみを感じたのか?
そして最初に感じた暖かみはなんだったのか?と考えると、おそらく弾いた直後にチューニングが合っているからそう感じたのだと思います。
ギターは基本的にジャーンと長く音を伸ばして弾くことはあまり少なく、ストロークをしたり、刻んだりと、出始めの音を使うことが多いです。
そこで音同士のぶつかり合いが少なかったので暖かみがあると感じたのではないかと思います。
しかし、絶対に耳でチューニングをした方がいいというわけでもない
じゃあ、耳でチューニングした方がいいんじゃない?となりそうですが、そうとは言い切れません。
発音時(ピッキングした時)に音が高くなるのがギターなんです。
どういうことかというと、多少ピッチが狂っていても大した問題ではなく、それがギターらしさなのです。
今回、疑問が出てきていろいろ調べました。
そこで一番感じたのは、音程が合ってなくても合っている場合があるということです。
全く訳が分からないと思いますが、簡単に解説します。
次の段落はよく読まずに読み飛ばすくらいの勢いで読んでください。
平均律と純正律
基準音400Hzに対してどうやって音を並べていくか?という、根本的な音の決め方の話です
しっかり説明するととても長くなってしまうので、すごく簡単に説明します。
平均律・・・・・ギターやピアノなどで採用されている基本的な音の決め方
純正律・・・・・音の響きを重視して作られた音の決め方
純正律でコードを鳴らした場合はとてもきれいに、うねり無く聞こえます。
逆に平均律でコードを鳴らすと正確にチューニングしたとしてもほんの少しうねります。
じゃあ、純正律でやればいいじゃんとなりますが、そうもいきません。
Cメジャーコードで考えると、ルート音のドに対しての長3度のミは、純正律の場合に平均律と比べると14セントも低く設定されます。
14セントとなると結構な違いです。
オクターブの音で14セント違うと結構うねります。
しかしこれがルート音と長3度の場合はとてもきれいに響きます。
では長3度の音を毎回-14セントできるかというとそうはいきません。
例えばローコードのCとDを同じ曲の中で使う場合を考えてみます。
Cの長3度であるミを担当する4弦と1弦を14セント下げたとすると、4弦をルート音に使うDはとても響きが悪くなります。
他のコードを弾く時などに全く対応ができないのです。
なので、基本的には平均律を使います。
平均律はすべてバランスよく音を並べるのでどのコードを使ってもバランスよく使えます。
完全5度(Cコードの場合ソ) +2セント
短3度(Cmコードの場合ミ♭) +16セント
ハーモニクスの音は純正律という話もありますが、長くなるので今回はしません。
めんどくさかっただけだろ
多少ピッチがズレていてもケースバイケースなのでどうにかなる
つまり何が言いたいかというと、限度はありますが、音が多少ズレていてもそれがぴったり合うときがあり、逆にしっかりチューニングした場合でも合ってない場合があるということです。
そして、純正律はうねりがないので響きがとても良いですが、逆に何の特徴もない響きとも言えます。
うねりの無い響きの方が気持ちいいに決まってるだろ!
異論は認めます。
こういう意見もあるんだなぁと思いながら読んでもらえると幸いです。
カラオケなどでMIDIの音源を聞くとなんか味気ない感じがしませんか?
それは、ギターの音の場合ピッキング時、音を伸ばしている時、どの弦で弾くかなどで微妙に音程も音色も違うからなんです。
つまり多少の不安定さがあることによってギターらしい音が作られているのです。
これはどの楽器にもいえることです。
チューナーを使っても耳と同じようにチューニングすることもできる
最後に耳でのチューニングが苦手な人のために耳でチューニングした時と同じようにチューナーを使ってチューニングする方法をお伝えします。
とても簡単です。
弾いた直後の音がメーターの真ん中に合うようにチューニングすればOKです。
こうすればほとんど耳でチューニングした時と変わらない感じになります。
とても微妙な違いなのであまり気にしなくても大丈夫だと思います。
まとめ
- チューナーを使った場合と耳でチューニングした場合は微妙に違いがある。
- 必ずしもどっちがいいというわけではない
- 1,2セントの違いはあまり気にしなくてもいい(これは筆者の意見です)
最後に
今回、純正律や平均律について調べてみてとても面白かったです。
音の成り立ちについて詳しく知る機会が無かったのでとても勉強になりました。
そして、ちょっと前までチューナーの精度について考えていたことがとても意味の無いことなんだなぁと思いました。
楽器店に勤めていた時にメーカーの営業さんから、「この新しく出たチューナーでチューニングすると精度がいいからコードを弾いたときに気持ちいいですよー」と言われました。
このことを知っていればそんなわけないでしょ?とはっきり言えたと思います。
その時は「そうなんだ!すげー!」と素直に驚いてしまいました。
今では±0.1セントまで計測できるチューナーさえもあまり必要ではない気がしてきました。
自分の耳と感覚を信じるようにします。
お前のへっぽこな音感は信頼できない
筆者の意見なので悪しからず
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