ストラトが1954年に発売されてもうすぐ70年になろうとしています。
いろいろな仕様変化をしてきましたが、いつまでをビンテージと呼ぶかは人それぞれだと思います。
そこで、いつまでをビンテージとするかを決めるのに節目となる出来事がいくつかあります。
その重要な出来事をまとめてみました。
参考した資料はこちら
1965年フェンダー社がCBSに売却される
最初の節目が1965年。
レオ・フェンダーが健康上の理由でフェンダー社をCBSに売却します。
ここが最初の大きな節目です。
CBSに売却された後、フェンダー社はいい楽器を作るという考え方よりも、安く楽器を作る方法を求めるようになってしまいます。
はじめは今までの作り方ですが徐々に変化をしていきます。
そして、この年にもう一つ大きな出来事が起こります。
1965年 ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)がブラジル政府によって輸出制限を受ける
ビンテージと言えばハカランダでしょ!?という人は多いと思います。
今ではハカランダは希少な木材ですが、当時は安いギターにも使われていました。
しかし、ブラジル政府によるローズウッドの輸出制限を受け1965年からフェンダー社のギターはインディアン・ローズウッドに変わります。
使われている木材の違いもあり、人によっては1965年までがビンテージだという人もいます。
1970年レオ・フェンダーが顧問を辞める
フェンダー社を売却した後もレオ・フェンダーはフェンダー社に顧問として残ります。
しかし、1970年に辞めます。
この1970年の前後から改良とは言いずらい仕様変更があります。
目立った仕様変更はこちら
・1968年にボディの下地がポリのトップラッカー、ネックはポリ、ヘッドはラッカーという仕様変化。
・1969年にピックアップのターン数が約7600ターンに減少。
・1971年後期にはネックのジョイント方式が3点止めに変わる。
これらは改良とも言えますが、少し疑問も残ります。
1968年 ポリ塗装
ポリ塗装はがっちり固めてしまうので木材の振動を悪くしてしまう恐れがあります。
しかし、ポリ塗装は剥がれづらいというメリットがあります。
オール・ラッカーのギターはボロボロになりがちです。
塗装が無くなると木材が空気にさらされることによって、経年変化が進行しやすくなってしまうのであまりよくありません。
音や見た目をとるか、耐久性をとるか悩むところです。
1971年 3点止め
ネックの3点止めはネックのセンターズレが起きやすくなります。
なので3点止めはあまりいいものではないと筆者は思ってます。
実際に3点止めの1974年製のギターを持っていますが、倒した時にセンターズレを起こしました。
しかし、3点止めにするときにマイクロティルトという機能を入れました。
これはネックが根本から変形してしまった時などにネックの角度変えることで調整ができるようになります。
シムを入れなくても調整ができるので、機能が増えたとも言えます。
これらのことを考えると1970年前後に1つの節目があったと考えられます。
1975年ほとんどがアッシュボディに
アッシュが悪いというわけではないです。
ストラトの発売当時はアッシュでした。
しかし、それはかなり選定をされた木材だったと思われます。
その理由はそんなに重くないからです。
コンター加工の広さの違いもありますが、軽い個体が多いです
しかし、1975年以降のストラトは重いものが多いです。
ずっしりと重いものが多いのでそれを嫌う人は多いと思います。
1975年末 ピックガードが黒に
1975年にピックガードが黒に変わり1977年にはノブなども黒に変わります。
1978年には後ろのスプリングカバーも黒くなります。
個人的にこれが一番のポイントだと思ってます。
すべて黒いパーツにすると異常にダサいです(個人的な感想です)。
黒に黒を合わせるのは結構カッコイイです。
しかし、他の色でさらにローズ指板の場合にパーツ類が黒になると真ん中がすべて真っ黒でアクセントがなくなります。
「1977年製 ストラト 画像」で検索してみてください。ちなみにこちらが検索結果
人それぞれ好みがあり、時代背景もあるでしょう。
しかし、今のギターでピックガードやノブが全部黒になっているギターは少ないです。
見た目が厳しくなってくるこの年代からビンテージとは言いずらくなってくるのではないでしょうか?
まとめ
- 1965年 フェンダー社がCBSに売却&指板がハカランダではなくなる
- 1970年 レオ・フェンダーが顧問を辞める
- 1975年 ボディがアッシュになって重くなる&パーツが黒に
最後に
ギターは良し悪しの話の前に、どんなギタリストがそのギターを使っていたかが重要になることが多いです。
リッチー・ブラックモアやイングヴェイ・マルムスティーンなどが70年代前半のギターを使っていたので、1974年までは値段が高かったりします。
しかし、1975年以降はそんなに値段が高くなかったりします。
下手をするとカスタムショップの中古品より安い場合もあります。
そのことを踏まえて筆者は1974年までがビンテージと思ってます。
自身が1974年製のストラトを所有しているからそう信じたいという気持ちもあります。
みなさんはどう思いますか?
1987年にフェンダー・カスタムショップ設立
蛇足ですが、1987年にフェンダーカスタムショップが設立されてもう30年以上たちます。
1987年から1990年代のカスタムショップ製もビンテージと呼ばれる日が来るかもしれませんね。
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