1954年に発売されたストラトキャスターの仕様の中でも個人的に重要と思われる点をまとめてみました。
1人1人ストラトと言われて思い描く仕様が違うと思います。
ローズ指板、アルダー、ラージヘッド・・・などなど。
ストラトと言っても様々なスペックがあります。
そこで、今回は一番初めに発売された時のストラトの仕様を振り返ってみます。
見た目はほとんど一緒ですが、中身はかなり違うものになっています。
ストラト好きの人も知らない意外な仕様があったりするのでぜひ読んでみてください。
参考にした書籍はこちら
ボディは少し重いアッシュ
・アッシュが使われていて少し重い3,5~3,8㎏
・2ピースが主流
ビンテージのストラトは軽いイメージがありますが、意外と重いです。
翌年からは軽めの1ピースのアッシュが多くなってきます。
今でこそストラトと言えばアルダーですが、発売当初はテレキャスターの上位機種という位置付けだったため、アッシュが使用されていました。
ネックはメイプル
・ワンピース・メイプル
・指板は何も貼られてなくメイプルのまま
・真ん中がわずかに尖った形状
発売時は真ん中がわずかに尖った形状ですが、少しずつ尖っていき57年には顕著なVシェイプになります。
その後、58年中期にUシェイプに。
ネックのシェイプに関して「なぜVシェイプになったのか?」については3冊ほど読んでいますが記述が見つけらませんでした。
当時は太い弦が張られるのが前提だったため、ある程度太さが必要だったのでは?と個人的に思っています。
Uシェイプになったのは太いと弾きづらいからだと思ってます。
ボディとネックの接合部分
・ボルトオン
・ネックポケットが浅い
テレキャスターと同じくボルトで締めるタイプ。
しかし、その後のストラトと比べるとネックポケットが浅い。
なんとなくネックポケットが深い方が振動が伝わりやすく音がいいように思われますが、当初は浅かったです。
ネックの形状がUシェイプになる58年にネックポケットも深くなります。
ピックアップ
・ポールピースがアルニコ3
・コイルの巻き数が約7000ターン
・4弦のポールピースの高さが一番高い
・上部の磁極がN極
発売当初はピックアップのポールピースはアルニコ3でコイルの巻き数も約7000ターンと少な目。
そして意外なことにポールピースは4弦が一番高く3弦が4弦より低い。
3弦がプレーン弦の現代ではこちらの方がいいのでは?と思っています。
翌年の前期にはアルニコ5になり、ターン数も約8000ターンと増える。
さらに後期には3弦のポールピースの高さが4弦と同じくらいになります。
ポットの抵抗値
・ポットの抵抗値が100KΩ
発売当初はポットの抵抗値が100KΩと低い。
9月頃にVolのみ今と同様に250KΩに変更されます。その後Toneも250KΩへ変更されます。
その他
・ストリングガイドが丸い
・ピックガードが1プライ
ストリングガイドは56年前半から羽型に変わります。
ピックガードは59年中頃に3プライに変更されます。
まとめ
- ボディは2ピースの少し重いアッシュ
- ネックは僅かに尖ったVシェイプのメイプル
- ネックポケットが浅い
- ピックアップはアルニコ3を使用して約7000ターンの巻き数、4弦のポールピースが一番高い
- ポットの抵抗値が100KΩと低い
どうでしょう?
自分はピックアップの仕様が一番驚きました。
すぐに変わってしまいますが、ポールピースの高さは現代ではこちらの方がいいのではないか?と思ってます。
そして、「発売当初から完成度が高かった」とよく言われますが、こうしてみるとかなりの部分がすぐに変更されてます。
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